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「…そろそろ、さ。…言った方がいいんじゃない? 篠原先生に」 診たいところをすべて終えたのか、ティッシュが寄こされ「自分で拭いて」と渡される。 「う、ん」 返事をし、ゆっくりと起き上がるとゼリーを拭い、ファスナーを閉めた。 「結果、は?」 「んー」 千佳は言いながらプローブを拭いたティッシュをゴミ箱に捨てると、私のも受け取り同じように捨てる。 「動きは前よりはいい感じかな。でも一回ちゃんとした精査をしたいところね」 袋にエコーを戻しながら「で?」と私に問う。 篠原さんに言った方がいいんじゃないか、という問いに対する答えを求めているのだろう。 私は見上げるように点滴台にかかった白衣を見る。…正確には白衣のポケットだ。 思わずため息が漏れた。 目線を膝の上に戻しながら「近いうちに言うよ…」と言うと、その声があまりにも活気なく、千佳の目には私が不安に思っているように映ったのだろう。 「大丈夫よ。篠原先生が、比奈のどんな事を聞いても離れていったりしない人だって、わかってるでしょ?」 励ますように言われ、私は無理やり口角を上げ、笑ってみせた。 「そうだね」 私の答えに満足したように千佳はこの話題を終了し、退院した涼太の話へと移っていった。
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