310人が本棚に入れています
本棚に追加
「……大きくなるまで待ってろって事ですか? 随分、時間がかかりそうですね。因みに世間では借金をしたら、もれなく利息と言う物が付く事を知ってますか?」
「りそくのかわり、さーびすしてあげる。おたのしみにねっ!」
「意味……、本当に分かって言ってますか?」
「うん。ふつう、ごしゅじんさまは、げぼくにさーびすしないよ? ちょー、れあだよ?」
真顔で美樹がそう言い聞かせた瞬間、これまでなんとか笑いを堪えていた桜達が盛大に噴き出した。
「ぶ、ぶはははっ!」
「も、もう駄目っ!」
口とお腹を抱えてしゃがみ込み、くぐもった笑いを零している二人を見やった和真は、疲労感満載の表情になりながら、この場から三人を追い出しにかかった。
「分かりました。それでは詳細を調べて、お知らせします。調査費用は私が立て替えておきますから、ご心配無く」
「うん、よろしく! かづみさん、さくらさん、おまたせ! あそぼう!」
「はいはい、行きましょうね」
「じゃあ和真、頼んだぞ」
そして満足そうに三人が立ち去ってから、和真の上司である吉川が、少し離れた机から声をかけてきた。
「小野塚、どうする気だ?」
しかし和真は、その問いに平然と答える。
「どうするもこうするも……。あの色々あなどれない美樹さんが、心底嫌いで怪しいと思っている男なんて、叩けば埃が出るに決まっています。それを美樹さん経由で社長が耳に入れたら、こちらに詳細な調査を依頼してくるでしょうし、どのみち調査費用を取り損ねる心配はありません」
「それはそうだな」
吉川がすぐに納得した為、和真は早速部下達の実働状況を確認しながら、考えを巡らせ始めた。
「早速、手空きの班に割り振ります。さて、どこにするか……」
そして美樹が己の勘に従って暴走した結果、予想外の結果と騒動を招く事になった。
最初のコメントを投稿しよう!