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その後、彼は父親から託された土地を売却して娘の本葬を行い、日々、娘の冥福のみを祈って過ごした。
そんなある日、何処からか娘の声が聞こえてきた。
「あなたの御蔭で、私は別の国で男の身に生まれ変わることが出来ました。この御恩は今後も忘れることはないでしょう。あなたも行いを浄めて輪廻から解脱して下さい……。」
娘の言葉が終わると、梁青年は立ち上がり、外へ出るとそのまま何処かへ行ってしまった。智異山<チリサン>に入り薬草を採りながら暮らしているという噂もあったが確かなことではなかった。彼の後日を知るものは誰一人としていなかった。
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