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『探さないで下さい』act2
「捜索願いは1日経たないと無理です
兎に角探しますか?
何処か行き先は覚えがないのですか!」
私は三宅の言葉を茫然と聞いていた
惚けた様に見えたのだろう、三宅は
「先輩!どうしたんです?!確りして!
早苗さんには俺からも謝ってあげますから!」
私はふと現実に引き戻された
「ばか野郎!
お前、俺が浮気したと決めつけるな!
それに何でオカマと浮気しなきゃ成らないんだ!
俺はノーマルだ!」
私は三宅の頭をごつんと殴った
すると、頭を押さえて
「公務執行妨害だぁ~、傷害だぁ~
殴らなくても、良いでしょ」
と言う三宅に私は
「私が引っ掛かっているのは
この言葉だ、探さないで下さい、
っておかしな言葉だとは思わないか?」
「えっ?」
「お前はこの置き手紙を見て何を思う?」
「さぁ~、貰った事無いですから
それにドラマでも最近は無いですよね
確かに変な言葉かも知れませんね
でも最近はメールやラインがあるから
置き手紙なんて、古風な事をする人はいませんよ」
「そうだな、では、この手紙にまつわる
どんな事を考える?
お前は私の浮気で早苗の家出と読んだが」
「う~ん、例えば本当は別れたく無いけど
先輩の頭を冷やさせる為に
わざと手紙を残して反省を促す
やっぱり先輩浮気を?
何か憶えは無いんですか?」
「憶えか、無い訳ではない
早苗と私の関係は特殊だからな」
「えっ?夫婦ですよね~
しかも新婚、幸せそうに見えましたけど」
「それは置いておいて、この言葉の意味は」
「意味は・・」
「探してください、だ」
「えっ?!」
「本当に愛想が尽きたのなら、黙って出て行く
この手紙には相手に対して未練がある事を示す
つまり探してくださいと言う意味だよ
探すなと言われて
身に覚えの無い者が探さないと思うか?
当然、それを見越しての
探さないで下さいだよ
おまえがさっき言った、反省を促すも含まれるな」
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