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私は、窓辺で、本を読んでいた。
確か、その時は、夏目漱石の「こころ」だった気がする。
もしかしたら、森鴎外の「高瀬舟」だったかもしれない。
……どうでもいい。
兎に角、私は、窓辺に座って本を読んでいた。題名も、作者も、なんでもいい。
そして、いつだったか、私は、その小説を読み終えた。
顔を上げる。
まどが見える。
向かいの家の、障子が
赤く、染まっていた。
血だ、と私は思う。血液、血痕、自殺、他殺、ナイフ、カッター、リスカ……様々な語句が、私の頭の中をさまよう。
私は、目をつぶる。嘘ではないか、という期待を込めて。少しの、期待を込めて。
目を開けると、そこには、相変わらず、赤い色をした、赤く染まっている、
窓ガラスがある。
窓ガラスの奥には、
首から血を流した、
向かいの家の子が
私を恨めしそうに、
ぎろり、とにらみ、
私は、
私は、
私は……
わたしは……
わt…………………………
目が覚めた。
夕日が見える。
夕日?
夕日。
空が赤い。
目を開けると、そこには
目を開けると、そこには
目を開けると、そこには
目を開けると、そこには
目を開けると、そこには
目を開けると、そこには
目を開けると、そこには
目を開けると、そこには
目を開けると、そこには
目を開けると、そこには
目を開けると、そこには
目を開けると、そこには
目を開けると、そこには
目を開けると、そこには
目を開けると、そこには
目を開けると、そこには
目を開けると、そこには
目を開けると、そこには
ぐさり。
ばたり。
見慣れた、緑色をした障子が
障子に
あの子供の顔が
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