第十七話 異形

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完全に黒く染まった人形を見て、リドが呟いた。 「色が変わった…! あの見た目…まるで、あのときの影のようだ…!」 影が再び、奇声をあげながらリド達に襲いかかってきた。 魔王の城でも、黒く染まった人形達とスワンとパズが交戦していた。 関節をありえないほどくねらせ、気持ち悪い動きをしながら、迫ってくる人形をスワンはフランベルグで斬りふせる。 「どういうことだ!? 先ほどとは動きが変わっている…」 踏みつけた人形を鎌でザクザク突き刺しながら、パズが言った。 「パズ…こノ影キライ…キもチワルイ…」 一方、天界の何処かにある地下牢のようなところに、捕らえられていたルキは、檻を再生させた大剣で破壊して脱走し。ここを抜け出すため地下の長い廊下を駆けていた。 廊下はベージュで統一され、さらに左右に等間隔で別の細い廊下に抜けるらしいアーチ状の入口があった。 「(愚かな…あの白い手、細い檻、武器を奪わずあのようなもので我を拘束し続けられると思ったのか? 魔王の間から牢に引きずりこまれるときに、ここまでの道のりは覚えたし、なんとかこの場から脱出はできるな。しかし、こういうところに見張りがひとりもいないのは不自然だな…)はっ!?」ルキの前にあの人形が数体、アーチからユラリとあらわれた。 「見張りの者では、ないらしいな…。ふっ!!」 ルキは躊躇いもなく、いっきに人形を全て斬り捨てた。 サントはブリジットの攻撃を、なんとか力づくでぐいっと押し退け、押されて体制を崩したブリジットの胸元に、すかさず槍を突き刺した。 「くらええっ!」 ブリジットは女性のような悲鳴をあげながらドサッと倒れ、粒子となって消滅した。 ジュライは一体のリトル・ペガサスの突進をかわすと同時におもいきり剣で斬り、飛びかかってきたもう一体を、正面から臆さず突き刺した。 倒れ粒子となって消滅する、二体のリトル・ペガサス。 「よしっ!! 音からして、サントさんもブリジットを倒したみたいだ。モルガナとアストロンはっ!?」 ジュライは、モルガナとアストロンの方を見た。 「翡翠地獄扇!!」 モルガナは杖を大きく振りかざし、そこから扇状に広範囲に広がる緑の炎を放ち、同時にリトル・ペガサスを焼き払う。
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