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ジュライがサリアに質問した。
「せいごにんぎょう!?」
「錬金術で造られ、自動で動き、神殿や天界の街、重要施設を守る存在だ。でも、聖護人形は、あくまでも天使たちの安全を守る存在だ。私が知っているのは、あのような攻撃的な雰囲気じゃないぞ!」
一番驚いているのは、ミカエラのようだった。
「…!? 何故聖護人形が…誰が起動したんだ!?」
その聖護人形の体が、黒く染まっていく。
サリアとモルガナが言った。
「色がっ!?」
「あの雰囲気、この間の影と同じじゃないの!?」
さらにステンドグラスを破り、白い人形に組みつかれたゼルが飛び込んできた。
「ゼル!?」
ミカエラが言った。
「ゼル、何があった!?」
組みついていた人形を大剣で粉砕し、ゼルが言った。
「街のじけんのおしらせを聞いて、いってみたらこれがいっぱいでてきて、これと戦っていたら、もみもみのくちゃくちゃになって、いつのまにかここに来ちゃった!! あっ、サリアおねーちゃんたち、久しぶりーっ!」
「ミカエラが言っていた、想定外のことって…」
ジュライ達は、ミカエラが言っていた街の想定外のことが何なのか、断片ながらも理解した。
そして、一人の女性が割れたステンドグラスから、他の人形より大きい人形に乗り、下りてきた。
女性を見て、ミカエラとゼル以外が驚愕し、アストロンが言った。
「ティアー…ヴィーナス…さん…!?」
その女性は市長フロストの秘書、ティアー・ヴィーナスだった。
彼女は、あのときとは異なりラメの入った焦げ茶色のドレスに身を包み、眼鏡を外しており、髪をおろし、妖艶な笑みを浮かべていた。
そして、囁くように言った。
「さて皆さん、もう茶番劇は終わりです」
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