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Nishijima side
うー。さみぃ。
そんな寒さとは裏腹に街はクリスマスの魔法で眩しすぎるほどに光り輝いている。
今日はクリスマス。
街中が魔法にかかる特別な日。
君と一緒に居られることが嬉しくて。
「かんぱーい」
宇「なんか、クリスマスって感じ、しないね笑」
西「クリスマスに男女で居酒屋っていうね笑」
宇「ホワイトクリスマスなのにねー笑」
西「ほんとな笑」
君と二人だけの久しぶりの食事。
それがどんなとこだって、どんなものだっていい。
『君が側にいる』ただそれだけで、何もかもが幸せなんだ。
宇「ふぅー。食べたー。にっしーごちそうさま。」
西「いいえ笑 ねぇ宇野ちゃん。ちょっと見せたいとこがあるんだけど来てくれる?」
宇「うん、いいけど。」
宇「うわぁー、きれーい!」
西「ふふっ。ここはね、俺の特別な場所なんだ。」
君以外に人を連れてきたことなんかないんだよ。
宇「特別な場所?」
西「そう、特別な場所。仕事で行き詰まったり、どうしようもない不安に襲われた時。決まってここに来るんだ。」
宇「へぇー。どうして?」
西「ここが、この街のどこよりも空に近いから。」
宇「空?」
西「うん。空を見てるとね、ありのままの自分になれる気がするんだ。どんなに曇った日でも、雨の日でも。この雲の向こうには綺麗で大きな空があるんだって思うと自分の悩んでることが小さく思えてきて。よし、明日も頑張ろうって、そう思えるんだ。」
宇「にっしーはどうして私を、そんな大切な、『特別な場所』に連れてきてくれたの?」
西「特別だから。」
宇「...え?」
西「宇野ちゃんが大切な人で俺の中の特別な人だから。」
宇「私が、大切で特別...?」
西「うん。」
君は俺の中の大切で特別な人。
『君』という存在が君と関わり合う中でどんどん膨らんで大きくなってた。
そしていつの間にか、君は俺の中で『守りたい人』に変わっていったんだ。
西「宇野ちゃんのことを守りたい。宇野ちゃんの『大切な人』になりたい。」
宇「にっ、しー...。」
「俺と付き合ってください。」
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