第9章  ピンクの秘密(続き)

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私は、急いで寝室を出ると、取り敢えず滝嶋の食事を準備した。 「ちょっと、イイ子にしててね」 そして、大好きな猫缶に舌鼓を打ち出した彼女の頭を小さく撫でると 私は再び寝室に戻った。 薄暗い部屋の中で、彼は、ほんの数分前と同じ姿勢でベッドに腰掛けたまま 叱られた子供のようにションボリと項垂れていた。 そして、寝室の扉をそっと閉め、 彼の隣に私が座ると、ようやく彼が呟くように言う。 「ごめん……」 私は、黙ってかぶりを振り、彼の背中をそっと摩った。 「美沙ちゃんに、こんな事するなんて。俺、本当にどうかしてる」 そして、再び侘びを口にした彼に、私は優しく「いいのよ」と言った。 しかし彼は、それを嫌うように激しく頭を振った。
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