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当然といえば当然なんだけど、私の風邪は見事に彼に移ってしまい、今度は私が看病するはめになる。
「成瀬くん、具合どう?」
彼の額に手をあてて熱を確かめる。
「まだ結構高いね」
「んー、優美の手、冷たくて気持ちいい」
目を閉じたまま、だるそうにつぶやく。
かなり辛そうだ。
「私が風邪引いてるのに、あんなにキスするから……」
言ってる途中で恥ずかしくなって、語尾がだんだん小さくなる。
「我慢できなかったから」
切なそうに視線だけこちらに向ける。
熱のせいか潤んだ瞳がやけに色っぽくて、心臓がトクンと跳ねた。
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