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「『皆で楽しく過ごす』? なんで俺が、伊澄先輩や兼子とそんなことしなきゃなんねぇの?」
なんだろう。この、突然の桧山の変貌は。ついさっきまでの、ほんわかした雰囲気は、どこに消えたんだろう。
手負いの獣のような唸り声と、ぎらついた視線。こんな姿、初めて見る。桧山は、何をこんなにも怒ってるんだろう。この豹変の理由がわからない。
わからないけど、僕の説明が悪かったんだろう。それ以外、原因が思い浮かばない。
「だって、あの二人は一緒に頑張ったチームメンバーだろ?」
「はっ! そんなの、伊勢谷先輩が勝手に決めた調整メニューのグループだっただけじゃん。俺、関係ねぇし」
「関係あるよ! 二人とも大切な仲間じゃないか!」
「だから! それこそ知らねーし! 俺は伊勢谷先輩とペアなんだよ!」
「わかってるよ、そんなこと!」
「わかってねぇよ! 俺の言う『ペア』の意味をわかってねぇ!」
「わかってるって! 桧山とペアなのは、僕なんだからっ」
あれ? おかしい。
上手く説明してわかってもらうつもりが、全然違う方向で言い合いになってる気がする。これ、気のせいじゃないよな?
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