千年を生きてきた人

7/7
前へ
/24ページ
次へ
「それは……、顔や名前が同じってだけじゃない。魂が響き合うんだ。君の魂が放つ波動ののようなものが僕の心と共鳴して、君の眼差しや声、息遣い、すべてから君は他の人とは違う特別な人だって感じ取れるんだ」 そう言われたとき、私の心は変に反応して、心臓がドキドキと鼓動を打ち始めた。 でも、こんな話をこんなに真面目にするなんて、完全に頭がおかしいと思った。 「あなたには助けてもらって感謝していますが、千年前のことは、今の私には関係のないことですから。これ以上は、ご容赦ください」 こんな人に付きまとわれると、大変なことになる。 心の中の動揺を押し隠すように、私は伝票を握りしめると席を立った。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

188人が本棚に入れています
本棚に追加