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「ウォセ君ね、どっちがチビかはこの際どうでもいいからさぁ、早いとこ君も謝ってくんないかなぁ、僕困っちゃってんだよね」
「わ、わかったよ、わかったって。そう怖い顔すんなよ……」
「フォッフォ……よいよい、今日はエタラカに会いに来たんじゃが、おらんようじゃし大人しく帰るとするわい」
「え?エタラカと知り合いなの?」
「ウォセ!!」
「エ、エタラカと……知り合いなんでございますですか?」
「フォッフォッフォ……。知り合いと言えば知り合いじゃな、この森全ての獣がワシの知り合いじゃ。ウォセ、お前のことも生まれた時からよーく知っとるぞ」
「えーほんと!?じゃあオイラの母さんの事も知ってるんですか?」
「レラか……もちろんじゃとも。そなたの母は、聡明で純粋で……まるでこの森の泉のようじゃった。そなたに伝えねばならぬ大切な事もあるがの、今はまだその時ではないようじゃ。勇健に育てよ山犬の子よ」
「ありがとうシアプカ様、いつかまた母さんの話聞かせてね……」
ピリカが叫ぶ。
「帰り道、お気をつけてー!」
「大丈夫じゃ、森の獣にワシは殺せん。ワシを殺すとすれば、人間くらいのもんかの……」
シアプカはそう言うと、森の奥へと消えていった。
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