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「あーービックリした! 語りべ様なんて、オイラ初めて会ったよ」
「ビックリしたのはこっちだっつうの! ウォセ、お前ちょっと話し方を知らなすぎるぞ。 まぁ一緒にいるのがあのエタラカさんじゃー無理ないかもしれないけどさ」
「そうかなぁ、オイラそんなに変わってるか?」
「自分で気がついてないようじゃあ、よっぽど重症ってことだね」
「言ったなピリカ!!」
(ガサガサ……)
(!?)
その時、ウォセの背後の茂みから草木を掻き分けるような音がした。とたん、ピリカの顔が青褪める……。
「どうしたんだよピリカ、そんなおっかない顔して? またシアプカ様か?まだ何か御用で……す……か」
振り返ったウォセの眼前には、生涯で初めて見たであろうヒグマが立っていた。それもただのヒグマではない、体長三メートルに届こうかという隻眼の巨熊であった。
「グウォフー、グウォフー……フー!!」
「ピ、ピリカ?」
「う、動くなウォセ!こいつの名はアムルイ、人間どもは神なんて崇めちゃいるけど……この森の……悪魔だよ」
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