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こうしてまた1得点をあげ、計4得点の智也だがその表情はあまり優れない。
(地区レベルってこんなもんなのか?これじゃあダメなんだけどな)
そう思う智也の脳裏には、ナショナルトレセンやエリートプログラムで共に練習や試合したメンバーのことが思い浮かぶ。
彼等の中に智也と同様に公立の中学サッカー部に所属してるメンバーは数少ない。
大多数がクラブチームやプロの下部組織に属していて、聞いた話では随分とレベルの高いメンバー同士での練習や試合をこなしているようだ。
一概にそれが正しいとは智也も思わないが、離島で数少ない実戦の公式戦であまり手強い相手と戦えないのは誤算だった。
自分を律して厳しいトレーニングを積んでいる自覚を持つ智也だが、実戦経験という面では他のトレセンメンバーにこれから大きく劣っていくだろう。
その不安が、自分が活躍しても素直に喜べない要因なのだ。
(県大会には期待しよう。とりあえず今は自分でできることを増やしつつ基礎能力向上を目指さないと)
試合こそ終わっていないが、智也の眼中には既に兼久中学サッカー部のことは入っていない。
他人から見たら何様だと言いたくなるような思考の智也だが、その実績と将来への道を考えるとこれぐらい自信家の方が良いのかもしれない。
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