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「こっ…ここはっ!?──」
怪訝な表情で苗は晴樹を見つめる。そんな苗に晴樹は言いきった。
「カラオケボックス!」
「うそだっ!」
「…っ…仕方ないだろ!?土曜の夜はどこも混んでるんだから」
「でもカラオケない‥」
「あるよ‥カラオケもゲームも」
晴樹の指差す方を見て、本当にカラオケの機械があることを確認した苗は安心したのか緊張した表情を和らげた。
「兄さん!!ちょっとだけゲームしてもいい!?」
「時間あるからいいよ‥」
‥どのみち、今からの時間だとお泊まり料金‥‥
ウキウキしながらゲームを始める苗を一人残し、晴樹は浴室に向かった。
――ドンドンドンッ!
突然、浴室のすりガラスが激しく叩かれる‥
―カチャ!
「なんだ?」
ドアから顔だけを覗かせると苗は血相を変えて聞いてくる
「なんで!?なんで兄さんシャワーなんて浴びてんのさ!??」
「……今日…ちょっと色々あって泥まみれなんだよ‥‥‥」
晴樹の目線を追うと確かに泥の付いたシャツがカゴに脱ぎ捨ててあった‥
どうやら地蔵に蹴り倒された時に付いたらしい。
苗はそれを見てとりあえず安心した表情をみせる。そして大人しくゲームをしに戻っていった。
シャワーを済ませローブを身につけ、部屋に向かうと苗はゲームに夢中になっている‥
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