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「──たまには、会長も誘って来てくれよ!
現役、退いてからはとんとご無沙汰だからさ」
晴樹は寿司屋の大将に言われ、苦笑いしながら店をでた。
駐車場に止めてある車に乗り込むと苗の家へ向かいながら、晴樹は口を開く。
さっきからずっと気になっているのはやっぱり夏目の事だった。
「苗‥‥」
「なに?」
持ち帰りの寿司を貰ったことで上機嫌の苗は晴樹の問いかけに明るく振り向いた。
「お前、夏目から告られただろ?」
「‥///兄さんは‥‥‥
ただ者じゃあないと見た!てか、何で解るの!?今日着てた服だって当てちゃったしさぁ!」
ねぇなんでなんでぇ!‥そう追及する苗の質問に答えぬまま、晴樹は苗をジッと見つめた‥
「兄さん‥‥‥」
苗はそんな晴樹から目をそらさぬまま口を開く。
「信号青に変わったよ?」
「…っ…///」
苗の指摘で晴樹は前を向いてアクセルを踏んだ。
仕方なしに晴樹は運転に集中しながら再度聞き返す。
「付き合うのか?──
夏目と‥‥‥」
自分で口にしながら胸が締め付けられた‥
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