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『わかった!苗は帰ってくるんだ♪』
「悟クンは苗だけ帰って来ればいいんでしょ」
『え、いやっ…別にそんなことは‥//‥と、じゃあ‥こっち着いたら連絡するようにって言って。駅まで迎えに行くから』
「苗にそう伝えるから、じゃあお願いね!」
チン―
戸惑いながらも否定しなかった悟にオカンは苦笑いを浮かべて受話器を置いた。
「おぅなんだ?悟からか?アイツはこの時期になると必ず連絡寄越すな‥」
電話を切ったオカンに満作が言った。
「毎年、苗が帰ってくるのを楽しみにしてるんだって‥利枝チャンが言ってたわよ
夏休みは苗と遊ぶ為に彼女とデートの約束もしないんだって」
「なんだ、アイツ‥彼女いんのか?」
「彼女は彼女、苗とは結婚するんだ!って‥一成サンにも言い張ってるらしいわょ」
「ほぉ‥
さすがは俺の娘だ!俺に似てモテモテだなっ」
「あたしに似てモテモテなのよ!」
オカンの反論に満作は口を尖らせた‥‥‥
‥その顔は苗と似てるわ…
田舎からの帰省確認の電話が済んでも、館内で苗は晴樹に睨まれたままだった…
涼しく快適な図書館もいまは何だか凍てつく寒さに震えがきそうである。
「田舎の幼なじみだょ‥」
晴樹の問いに苗はやっとの思いで答えていた‥
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