つながり

23/26
前へ
/26ページ
次へ
・ 「幼なじみ?‥‥ヘェ‥」 晴樹はその一言だけ返すと黙りこくってしまった‥ 雰囲気の重くなる中時計を見ると午後3時前‥ 「よし、勉強はこの辺までにして何か食べに行くか?」 晴樹の言葉に陸達が喜ぶ。 「‥じゃあ‥ 俺はもう帰るよ‥」 夏目はそう言って勉強道具をしまい始めた‥ 「なに、大ちゃんは行かないの?」 苗に引き止められ夏目は晴樹をちらっと見る‥ 「帰って、今日の勉強の復習したいからさ‥」 そう言ってから苗に耳打ちした “後で電話する‥ 話したい事があるから‥” 夏目は意味ありげに苗を見つめた。 そして、二人の様子を鋭い目付きで見ている晴樹に夏目は言う‥ 「先輩、今日はありがとうございました。俺はこれで帰ります!」 頭を下げて帰ってく夏目を静かに見送ると、晴樹達も図書館を後にした‥ 家に帰り着いた夏目は携帯を眺めながら考える‥ ‥やっぱ、あの人‥どう見ても苗のこと好きだよな… 夏目は今日の晴樹の態度ではっきりと確信していた‥ ‥幼なじみ‥‥か‥ どんな奴なんだろ‥‥‥ 知らない男の出現に不安なのは夏目も同じだった‥‥
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加