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ーno sideー
昨年6月。
愁人は何を嗅ぎ付けてか、狙ったように結がお菓子を作っていった日に訪れていた。
「今日は抹茶のマフィンか~。
相変わらず綺麗だね。」
「そこは美味しそうって言うところでしょ。
綺麗だなんて言われた事ないし。
それとも美味しそうには見えないのか?」
「そんなに悲しそうにしないでよ。
俺が言いたいのは、美味しそうって誰でも言える言葉より、俺が思う言葉を言いたいだけなんだ。
つまりさ、俺はゆいちゃんの料理に惚れてるからこそ、ちゃんと表現したいんだよね。」
愁人の熱弁に対し、もはや結と弘人はそうですか…としか言えなかった。
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