Chapter 4 眠気覚ましのコーヒー

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車が走り出して少したった後、ようやく落ち着いたらしい麒縒。 「……ふぅ。で、どこ行くんだ?」 「いや、何も考えてないが?」 「はぁ!?」 窓から外の景色を見ていた麒縒が何気なく聞けば、朧から返ってきたのは目的地はないという答え。 「たまには良いだろ? ただドライブするのも」 「……まぁ、そうだけどよ」 「家に帰るのはいつになるか分からないがな」 「ッ!」 少し不服そうにしながらも納得した麒縒だが、次の朧の言葉に反応し、顔を朧に向けた。朧は前を見て運転したまま、悪戯が成功した子供のように笑っていた。 「おまっ……」 「なんだよ。折角のドライブデートなんだ、良いだろ?」 「デートって……」 「俺はお前に誘われた時から、そのつもりだったぞ?」 「……//」 久々に2人で外出したのだ、麒縒だって期待していなかった訳では無い。だが、すべて読まれていたとは考えていなかったのだ。 「今日は寝かせないからな」 「……望むところだ」 売り言葉に買い言葉。麒縒は、挑発は無視せずに乗るタイプだ。朧からなら、なおの事。 それが、今日1日の麒縒の運命を変えることになるとは、思わなかったのだろう。言葉の真意を知るのは、挑発した朧のみ。 「安心しろ、楽しませてやるから」 「当然」 楽しそうな2人を乗せ、車は走っていく。
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