Chapter 4 眠気覚ましのコーヒー

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街中を走りながら、朧は隣の麒縒に問いかけた。 「しかし、珍しいな? お前がドライブ行きたいと言うなんて」 「あぁ……寝ぼけながら起きてテレビつけたら天気予報やっててよ。今日の天気は快晴だって言ってたからなぁ」 風を浴びながらそう答える麒縒。 「で、何故ドライブ?」 「気分だな」 「なるほど」 気分だから、で納得できてしまうあたり、この2人はいいコンビなのだろう。 車は市街地を抜け、なお走る。風景は建物の群れから牧草の草原へと変わっていった。道路も黒いアスファルトから茶色の砂利道へと姿を変えた。 風に当たっていた麒縒が自分の異変に気づいたのは、砂利道を走り出して少し経った時だった。 「……っ」 「どうした?」 「何でもねぇよ……」 何でもない訳が無い。朧に聞かれたからそう答えただけである。 (身体が……熱い) まるで身体が燃えているように熱い。だが、熱がある訳では無いのだ。風邪を引いているわけでもなければ、平均体温が高い訳でもない。 (こんなに熱いなんて……まるで、朧に……) そう考えた時、麒縒はハッとした。この熱さはいつも感じているもの。朧と夜の遊びをしている時の――媚薬を打たれた時と同じ。
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