Chapter 4 眠気覚ましのコーヒー

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答えに辿り着いた麒縒の頭を片手で撫で、ニヤリと笑う。 (嫌な予感……) そう思った瞬間、強い振動が麒縒を襲った。 「あぁッ!?」 「ふふっ……」 新しく砂利を引いたばかりの道を走り出したからだ。新しいという事は、引かれている砂利の粒はまだ大きい。そんなところを走れば、いつもより激しく揺れる。当然、媚薬が効いている麒縒にとって、この上ない苦痛になるわけで。 もちろん、朧はわざとこの砂利道を選んで走っている。理由など分かりきっているもので。 「なんで、こんな……!」 「いつもより強力なやつだからな?。あぁ、持続時間は短いから安心しろよ?」 「どこに、安心要素が、あるんだッ……!」 不規則な振動に振り回されながら話す麒縒。揺られる度に小さく甘い鳴き声が漏れている。 「はぁ……仕方ないな」 麒縒の様子を見た朧はため息を吐く。その口元は笑みを浮かべていた。 そして、ゆっくりと車を道端に寄せて止め、エンジンを切った。 「おいおい……そんなに気持ちよかったのか?」 「……ッ!」 シートベルトを外した朧は麒縒に身体を向け、少し驚く。媚薬は予想よりずっと強い効果を発揮していたらしい。 「だれの、せい……だッ……!」 「あぁ、俺のせいだなw」 潤んだ目で睨まれても効果は無い。むしろ、朧は麒縒をメチャクチャに抱きたくなっただけだった。 「煽ってんのか?」 「は……?」 「ま、いいけど? お前がなんて言おうと、1発ヤるから」 「……ッ!?」 ビクッと震えた麒縒を見ながら、朧は舌舐めずりした。こんな美味そうな獲物、逃す訳が無い……と。 「お、おいッ……!?」 「おあずけは、無しだぞ?」
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