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それから数時間後、彼等は街中を走っていた。
助手席に座る麒縒はムスっとした顔で外を眺めている。
「…………」
「なんだ、まだ怒ってるのか?」
「……むしろ何で許されると思ってんのか聞きてぇんだけど」
砂利からアスファルトへと変わった道路を走る車。
数時間前とすっかり変わった景色を眺めながら、麒縒はかなり低い声で答えている。
「あ~、1発じゃ足りなかったか?w」
「いらねぇッ!」
今すぐにでもヤッてやろうか、と言わんばかりにニヤリと笑う朧。
そんな彼を見て少しビクつきながら、噛み付くように麒縒が言った。
「大丈夫だ。後でいっぱい可愛がってやるから」
「……ッ//」
愉しげな朧の言葉に麒縒は顔を赤くする。
ここで否定の言葉が出ないあたり、麒縒も先程の行為を楽しんではいたのだろう。
そんな彼等が乗る車はどんどん走っていき、いつの間にか高速の入口に着いていた。
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