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「……ん? 高速乗るのか?」
「まぁな」
先程の怒りはどこへやら、朧を見ながら首を傾げる麒縒。それを横目に、朧は減速しながらETCレーンを通り抜けた。
そのまま、加速車線で一気に速度をあげ、本線へ合流する。
「さて、俺の可愛い麒縒君にQuestion」
「……あんだよ」
「高速道路には2つの種類がある。その2つとはなんでしょう? そして、今走っているのはどちらでしょう?」
「……お前、オレを舐めてるだろ。高速自動車国道と自動車専用道路。んで、今走ってんのは高速自動車国道だ」
「お、正解w」
「ふん」
突然の朧の問いにニヤリと笑いながら答える麒縒。その視線は外を向いているが、楽しそうだ。
ちなみに、可愛いと言われたことに対してはスルーしている。
「んじゃ、第2問。ここの法定速度は時速何km/hだ?」
「100km/hに決まってんだろ」
「流石だなw」
当たり前だ、と楽しげに答えた麒縒を見ながら、朧は微笑む。
「なら、これはどうだ? 一般道路では、免停になるのは30km/hオーバー。では、高速道路では?」
「40km/hオーバーだろ?」
「お? よく知ってるなw」
そう言いながらアクセルを踏む朧。速度を示す針はゆっくりと右にずれていく。
「捕まんなよ?」
「そんなミスをするとでも?」
「だなw」
どんどん流れていく景色を眺めながら笑う麒縒と、相変わらずアクセルを踏み込んでいる朧。
垣間見えるは、互いを信頼するその顔で。
To be continued……?
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