ティータイム

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「……あれ?」 恐る恐る目を開けると、真司は知らない部屋の中で、しかもベッドの上に仰向けになって寝ていた。 「さっきのは夢?っていうか、俺、いつの間にベッドの上で寝てたんだっけ」 悪い夢を見てたせいか背中がびっしょりと濡れている。真司は額に溜まった汗を拭いながら、とりあえず横になっている上体を持ち上げようとした。 ……ん、おかしいな。 身体の自由が効かない。まるで身体の上に何かがのしかかっているような感覚。もしや、これが噂に聞く金縛りではないだろうかと真司は身震いした。 どうにか首だけを動かして、視線を自分の上半身へと這わせる。 しかし、それを見た瞬間、真司はまだここが夢の中ではないかと疑った。 「だ、誰?」 なぜなら、自分の上半身の上に覆い被さるようにして、美少女が寝息を立てて眠っているのだ。 ……ん?だけど、この子の顔どっかで見た気が……。 そう思ったとき、二つの瞼から延びる長い睫毛がピクッとはねる。 「ふぁ~、私いつの間に寝てたんだろ?」 少女は重たそうな瞼をごしごしと擦ると、何かの気配を感じ取ったのか、ぱっとこちらを向いた。
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