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ぴのきおの言っていることは常識的に考えれば荒唐無稽な話だと笑い飛ばすことも出来た。しかし、あんな非常識的な光景を見せられた後では誰も一笑に伏すことなど出来ない。
でもね、とぴのきおがつまらなさそうに肩をすくめた。
「それじゃボクがつまらないんだ。なんだか弱い者イジメしてるみたいで心がいたたまれるしネ。だからボクとちょっとしたゲームをしよう」
ぴのきおの口元がこれ以上ないくらいに不気味な弧を描いて笑っていた。ゲームという単語からしても、あまり良いイメージは浮かばない。
真司が「ゲーム?」と復唱した。
「そう。この世界ではデスゲームってのが流行ってるんだろ?だから、キミ達にはこれからゲームをしてもらう。この世界の存続を賭けてネ!」
それはまるで今の状況をゲーム感覚で楽しんでいるかのような口ぶりだった。お前らなんかにクリア出来るわけがないという底意地の悪さが、ぴのきおの顔にありありと現れていた。
「ゲームは至って簡単だヨ。まあ、いきなりこんなところに連れてこられて混乱している人もいるだろうからね。まずはキミ達が今置かれている状況の説明も兼ねて、三つの情報をあげる。だけど、その中には一つだけ嘘の情報が紛れているんだ。キミ達にはそれを当ててもらうってだけのゲーム。と、言ってもこのゲームはあくまでキミ達をふるいにかけるための余興であって、こんなところでたくさん脱落されたらボクとしても興醒めなんだ。だからキミ達には特別にアドバイスをあげる」
わざとらしくコホンと咳払いをすると、ぴのきおは声に幾分の凄みを持たせて言った。
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