追悼

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「さて、こっからどうすっかな」 青みがかった坊主頭をぼりぼりと掻きながら正人が独りごちる。 「どうするって言ってもなぁ」 真司は傍らに立つレイナに話を振る。 「うん、一時間もいらないよね」 レイナがぼそっと答えると、泉が笑顔で提案する。 「じゃあさ、ここはまずみんなでボタンを『押す』に投票しようよ。それで、このあとは各自で自由行動ってのはどう?」 「俺は別に構わないけど……。レイナも正人もそれでいいか?」 念のため、真司が二人に確認をとると、もとよりレイナと正人の意思はとっくに固まっていたようだった。 こうして、この部屋に集められた四人はボタンを『押す』に投票することになったのだが、どうしても真司は釈然としない。 「ねぇ、真司はどう思う?」 皆がそれぞれ思い思いの行動をとる中、レイナは真司の横に立ち、こっそり耳打ちする。彼女も考えてることは一緒のようだった。 「あ、ああ。もしも、この四人が全員ボタンを押してくれればそれが一番いい。みんなと生きてゲームをクリアすることが出来るし、いがみ合う必要だってない。だけど……」 「だけど?」 「この中に一人でも裏切り者がいれば、四人での生存は難しくなる」
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