追悼

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そう。このゲームで一番厄介なのはそこだ。 「もし例えばの話だけど、この中に裏切り者がいたらレイナはどうする?」 レイナはしばし考える表情を作るも「分からない」と首を横に振った。 「だよな。俺もどうしたらいいか分からないよ。だって裏切り者がいたとしても、俺達に出来ることっていえば精々『やめてください』と頭を下げることくらいだ」 真司もお手上げだと両手をあげる。 そもそも、そんなことでどうにかなる相手ならば、最初から裏切ったりなどしないだろう。すなわち、裏切り者が誰なのか特定できたとしても、それを止める術がないのだ。 「このゲームはボタンを押すか押さないかの相談が出来るだろ?それを逆手に取られるんだよ。さっきみたいにボタンを『押す』って四人で決めたのはいいけど、それは裏切り者からしてみれば格好の的だ。なぜなら、ここで裏切り者が『押さない』を選べば3対1で確実にポイントを得られるんだからな」 「な、なるほど」 レイナは感心したように小さく頷く。
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