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「だからこそおかしいんだ。このゲーム、明らかに結託したほうが楽なんだ。たった一回の協力でゲームをクリアすることができるからな。つまり、1人で勝てば1億円貰える、みたいなルールでもない限り、このゲームは三回もリスクを冒してまで1人勝ちする必要性がないんだよ」
と、ここまで駆け足で説明してみたはいいものの、レイナはちゃんと話についてこれてるだろうか。
「な、なるほど」
…………。
多分、大丈夫だと信じたい。
「まあ、これはあくまで裏切り者がいると仮定した話だからさ。そんな気にすることないって。そもそも一人だけ勝ち残ったとしても何の得があるんだよ。プレイヤーの数が減って、この先のゲームが不利になるだけだろ」
こう説明してやると、レイナは幾分納得がいったようだった。肩口に零れた髪をしきりに揺らしながら頷いている。
一方で真司の心境はかなり複雑だった。あえて都合のいい言葉ばかり並べてみたが、果たしてそんなうまくいくだろうか。これだと、ぴのきおは四人全員でクリアしてくださいと言ってるようなものだ。
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