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真司が思案していると、泉がこっちに歩いてくるのが見えた。
「やあ、真司くん。今ちょっとだけいいかな?僕の話を聞いてくれない?」
泉は人懐っこい顔を浮かべながら、せがむように手を合わせる。
「ああ、いいよ」
状況が状況なのであまりそういう気分にはなれなかったが、ここでプレイヤーとの信頼を深めておくことは、ゲームの勝利へも繋がる。真司は気安く応じる。
「じゃあ、私は……」
気を遣ってかレイナが身を引こうとするも、真司がそれを引き止めた。
「いや、別に一緒でも構わないだろ。な、泉?」
「うん。というか、むしろこれは水瀬さんにも聞いてほしい話だからさ」
レイナはきょとんとしていたが、やがて真司と話を聞く姿勢を示した。
「ごめんね、すぐ済むから」と一言断って、泉は神妙に話を切り出す。
「真司くん、最近何かあった?」
その話題があまりにも直球すぎて、真司は言葉を出せなかった。
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