プロローグ

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20XX年、4月1日。この日、○○県△△市のとある山間部に隕石が衝突した。地上には深さ5m以上もの大きな穴が空き、周囲の木は全てなぎ倒されていた。 幸い、周辺には登山中のツアー客などもおらず、落下した衝撃による二次災害なども発生しなかった。 近隣住民の話でも「突然、空が青く光ったと思ったら、山の上に何かが落ちるのを見た」という目撃情報が多数寄せられた。だが、このような事象は世界各地でも数多く報告されており、決して珍しいケースではないという。 当初は隕石が大気圏に突入した際の破片が地球に落下したという見方が有力視され、被害状況から見ても大気圏突入前の隕石の大きさは直径10mと推測された。しかし調査団体の懸命な捜査の甲斐も虚しく、どういうわけか落下物の発見には至らなかった。 そのことについて専門家は「地上に衝突したときの衝撃に隕石が耐えきれず、バラバラに砕け散ったのではないか」と頭を悩ませていたが、落下物やこれによる人的被害が確認出来なかったことから捜査はすぐに打ち切られた――。
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