スクエアのもう一つの意味〈解決編〉

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「はあ……」 悩めば悩むほど、深みにはまるような気がして、真司はベットの上に倒れこんだ。背中がふんわりとした感触に包まれる。 「あ、ごめん。起こしちゃったか?」 どうやら倒れたときの揺れで、レイナが起きてしまったらしい。相変わらず、小動物のような可愛らしい仕草で目の下を擦っている。 そして、真司の視線はある一点に釘付けになった。 し、し、下着が見えてる!! 寝相のせいなのか、なんなのかは知らないが、レイナの制服のシャツがはだけて下着が露出している。いや、もっとその奥。下着に収まりきらない、たわわに実る二つの果実が今にも零れ落ちそうになっている! 真司が慌てて顔を背けると、レイナは不思議そうな顔をする。小首を傾げるなり、人の気も知らないでクスクスと笑いだした。 「真司、どうしたの?顔、赤いよ。ふふ、お猿さんみたい」 いったい誰のせいだよ!?と、真司は心の中で突っ込まずにはいられない。 というか、レイナって結構着痩せするタイプなんだな。などと考えていると……。 ………………ん? 「あ、あのさ……レイナ。少し聞きたいんだけど、さっきレイナなんて言った?」 真司が上ずった声で聞くと、レイナが反対側に首を傾げる。 「……お猿さんみたい?」 「いや、違う違う。その前」 「……顔が赤い?」 真司は大きく二回頷く。 だが、当の本人は未だに自身の身に降りかかっている『ある異変』についての自覚がないようだ。きょとんとしながら、ずっとこちらの挙動を『凝視』している。 真司は震える指で、自身の眼球を指し示した。 「レ、レイナ。目、目、見えてる……」 レイナがまた反対側にきょとんと首を傾げた。それから、だんだんと目を大きく、丸くして……。 「「えーーーーーーーーー!!!」」 二人の声が、すっかり春めいた澄んだ朝焼けに響き渡る。 果たしてそれは幸福の訪れか。 それとも不吉の前兆か。 この時の俺達にはまだ知る由もなかった――。
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