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外から賑やかな声が聞こえてくる。
真司は窓際の一番後ろの席から校庭を見下ろした。
外では体育の授業をしてるであろう隣のクラスの生徒が、1個のボールを追って、忙しなく校庭の中を駆けずり回っている。恐らく、サッカーをしてるのであろう。
たった今、赤のゼッケンを身に付けた生徒の放ったシュートが、キーパーの脇をすり抜けゴールが決まった。
点を取ったチームはこれをきっかけにますます士気を向上させるが、ゴールを許した青チームは気だるそうに肩を落としていた。
それからも手に汗握る攻防戦が続いたものの、結局は試合中盤から勢いを盛り返した赤チームに軍配が上がり、青チームは悔しそうに声を荒らげる結果に。
しかし、その声にはどこか清々しさも感じられて、最後は両チームでお互いの健闘を称えあっていた。
キーンコーンカーンコーン。
ここで授業の終わりを知らせるチャイムが鳴った。
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