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「そんなことねえよ。真司のほうが俺なんかよりもすげえよ」
言ってから、しまったと後悔する。つい口が滑ってしまった。
「そう言えば、二人ってちょっと意外ですよね」
「どういう意味?」
「あっ、気を悪くしたならごめんなさい。ただ、二人のタイプって全然違うのに、その割りにはスゴく仲がいいんだなぁって」
「そりゃそうだろうな。俺、最初の頃、あいつのこと嫌いだったし」
「え!?そうだったんですか?じゃあ、なんで二人はそんな仲良しに?」
茜が今度は興味津々な瞳をこちらに向けてくる。
「まあ、いいよ。ちょっとだけなら話してやるよ」
天井を仰ぎながら、俺は一年前のあの日に意識を遡らせた。
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