悪魔の証明

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昔こそ、下は子供から上はお年寄りまで、幅広い世代の人達に愛され続けたこの公園。今ではすっかり様変わりしてしまって閑散としている。 「やっぱり、あの時から全然変わってないな。人もいねぇし、なんかつまんねぇ」 自分で行こうと言っておきながら、達也が見も蓋もないことを口走る。 真司がまあまあと達也の肩に手を乗せた。 「仕方ないよ。最近は遊具の規制も厳しいし」 かつてはこの公園の見所の一つでもあった、回転式ジャングルジム。子供達から絶大な人気を誇っていたが、ある日子供がそれで事故を起こしてしまい、撤去されてしまった。あれは自分がまだ小学四年生の頃だっただろうか。 それから、自然と客足は途絶え、近年では公園の遊具による子供の事故が多発し、問題視され始めている。それにより、この公園もモロにその煽りを受けてしまって、今ではご覧の有り様だ。休日の昼間だというのに人っこ一人いない。
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