記憶の欠片

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ここはいったいどこだろう? 知らない場所のはずなのに、この場所には初めて訪れたような気がしない。むしろ、懐かしささえ感じる。 辺りを見渡すと、鬱蒼とした木々が立ち並び、地形が斜めに傾いている。ここはどこかの山奥なのだろうか……。 真司はとりあえず上の方へ登ってみることにした。程なくして開けた場所に出る。 「なんだ……これ」 目の前には言葉では言い表せないような光景が広がっていた。 「なぜ、こんなところに■■■が?」 自分は何かとてつもないものを見ている。だけど、それが何なのかは目では見えても、頭で理解することが出来ない。 その光景に見入っていると、■■■から人らしきものが出てくる。 誰だろう。こっちに近づいてくる。 よく分からないけど、あれはヤバイ。本能が告げている。心臓も早鐘を打ち始める。早くあれから逃げないと。 素早く身を翻すと、真司は来た道を引き返そうとした。しかし、足を早く動かそうと思えば思うほど体は前に進まない。 なんで進まないんだよ!くそっ!早くしないと追いつかれる。
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