束の間の日常

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よくこんな質問がある。 『もし、明日地球が滅びるとしたらあなたはそれまで何をして過ごしますか?』 これに関してどう答えるかは人それぞれだと思う。 いつもと変わらぬ日々を過ごそうとする者。持っていても仕方がないと散財する者。どうせ死ぬのだからと非行に走る者。そして神に祈りを捧げる者。 だが、これはあくまで仮定の話であって実際に起こり得るものではない。仮に滅びるとしてもそれは自分達が既にこの世を去った遥か遠くの未来の話だ。だからこの質問に対して真摯に向き合おうとする者は少ないだろう。 ではもしも、その嘘みたいな話が近い未来本当に起こり得るものだとしたらどうだろうか。しかも地球上にいる大多数の人間が呑気に明日も太陽は東から昇ると信じている。 しかし、残念ながらこれは嘘や妄想、ましてや昨日見た夢の話などでは決してない。 そう……。 これは今も人類に現在進行形で降りかかっている紛れもない真実なのだ――。
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