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茜はすっかり二人と打ち解けたようで、何やら楽しそうに談笑をしている。達也も美代奈も久しぶりに笑顔が戻ったようだった。
「えーと、そういえば茜はどうやって俺の家が分かったんだ?」
真司はさっそく本題に入った。
実は茜が家を訪ねてきたときから、ずっと気になっていたことだった。どうやって茜はここの住所を突き止めたのだろう。
「真司。今はそんなことどうでもいいじゃないか。それよりも今は感動の再会を喜ぼうぜ!」
「そうよ!だから真司は空気が読めないって言われるのよ!」
ただ普通に聞いただけのはずなのに、何故か二人の反感を買ってしまう。しかも、美代奈に関しては一番痛いところを突いてきた。ちょっと涙が出そうだ。
「ぐっ……」
真司が何も言い返せないでいると、茜がすかさずフォローに入ってくれる。
「あ、いえ、突然押しかけたあたしが悪いんです。でもこれじゃストーカーみたいですよね。やっぱ気持ち悪いですよね。ごめんなさい」
フォローに入ってきてくれたはずが、逆に頭を下げられてしまう。
「いや、そこまでは言ってないけど、なんで俺の家を知ってたのかなーという純粋な疑問を……」
フォローされるつもりが、いつの間にかフォローする側に回っている。
達也と美代奈からもさらなる非難の言葉を浴びせられた。
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