束の間の日常

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「真司、俺は見損なったぞ。こんな可愛い子をストーカー扱いして、そのうえ泣かせるなんて最低だな!」 「っていうか、ストーカーされてるってどんだけ自意識過剰なのよ。引くわー」 なんか全面的にこっちが悪いみたいな言い方になってるのは気のせいだろうか。そもそも、自分がストーカーだと言い出したのは茜のほうじゃないか? 再び真司が窮地に立たされているのを見て、それがどういうわけか茜のツボに入ったらしい。 茜が吹き出した。 「ぷぷ。あは、あはははははは!」 豪快な笑いっぷりに戸惑う真司。彼女はひとしきり笑ったあと、姿勢を正してから言った。 「皆さん、仲が良いんですね。羨ましいです」 「え?」 思いもしなかった言葉に、真司の口から変な声が出る。さらに、そんな真司をよそに達也と美代奈の二人はハイタッチを決めている。 この構図が何だか混沌としすぎていて、真司は全くついていけない。 黙って二人の説明を待った。 「いやー、茜ちゃんの元気が無かったから笑わせようと思ってさ」 「うんうん。だからもう強がる必要なんてないんだよ、茜。今は私達がついてるから……」 二人がそう言うと、茜はいきなり泣き出してしまった。美代奈に抱きついて、赤ん坊のように甘えた。
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