第2のゲーム~ロシアンダウト~

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「よーしよし、いい子だね。キミもようやく学習能力が備わってきたじゃないか」 ぴのきおが満足そうに微笑むと、真司は憤懣やる方ない思いで拳を引っ込めた。 「くそっ。お前のせいでいったい何人の人間が死んだと思ってる。俺は絶対にお前を許さないからな」 「おー怖い怖い。ま、死んでもいいならご自由に。もちろん触れた瞬間に死ぬけどネ」 「そんなことやってみなくちゃ分からないだろ」 「あはは。キミは本当に面白いね。いいよ、やってみなヨ。もしもキミがボクに指一本でも触れることが出来たら、その時はなんでも言うことを聞いてあげるよ。キミがそのとき生きていればの話だけど」 「本当だな?」 「もっちろん!ぴのきおに二言はないよ」 ぴのきおは二つ返事であっさりOKすると、真司の後方を指差した。 「ほら。そんなことよりも、キミの対戦相手は既にそこにいるヨ」 背筋に冷たいものが走る。頭に血がのぼっていたせいか、周囲への警戒を完全に怠っていた。肩越しに人の気配をひしひしと感じる。 「話は終わった?……待ちくたびれた」
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