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肩出しのTシャツに短いスカートなんか履いちゃって……不良か不審者にでも絡まれそうな恰好してやがるな。
さらに普段よりもばっちりと化粧していることによって、いかにもナンパされそうな外見だった。
そんなビ〇チ臭の強い彼女は俺に気がつくと、不機嫌そうに近づいてきた。
「どれだけ待ったと思ってるわけ?」
そう言って彼女は俺にカバンをぶつけてきた。
「いやいや、突然泊めてくれとかメールしてきておいてそりゃないだろ......」
むしろ急きょ泊めることをオーケーした俺を褒めてくれ......。
「女の子を夜おそくに外で待たせるとか男としてありえないでしょ!」
まあ、お前みたいなやつが夜に一人でいるのに誘拐されてなくてよかったよ。
つくづく日本は平和だと感じるな。
逆ギレされながらも、彼女が無事でよかったと安心する。
「はいはい、俺がわるかったです~」
仕方なく俺は適当に詫びを入れる。
「……で、石口の家ってどこなの?」
「いまから案内するよ」
正直なところ今見に合わせて歩いて帰る気はないので、自転車で帰りたい。
「後ろ、乗ってく?」
俺は自転車にまたがると、冗談交じりに言ってみた。
「はあ? 付き合ってもないのに二人乗りなんてするわけないじゃん。……でも、疲れたから今日は特別ね」
そう言うと、彼女はカゴにカバンを放り込み、荷台にまたがった。
「いやいや、特別ってなんだよ」
「アンタみたいなモテない男には、ありがたいでしょ?」
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