第1章

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会議室頭上の窓が落雷で照らされ、ズドンと鈍い音を立てる。電気が戻り、官邸会議室に照明が戻る。あの男は消えている。テレビ画面丸子たちが、一斉に扉を開けて戻ってくる。 角美:父ちゃん、大丈夫!? 丸子:あなた! 元康:どうしたい?血相変えて。 角美:物凄い音がしたよ?雷落ちたんじゃない?ここ。 元康:このとおり、俺もこの部屋も何ともないぞ?それより、こいつはいつか ら放送してんだ?世界100カ国で中継だって?凄いな桁違いの視聴者だ。 丸子:バレた・・・あなたが大統領になってからよ。 元康:嘘だな。角美、お前たちも知っているだろうな? 角美:たぶん、選挙の前から。No もっと前からだと思う。 元康:俺も相当おめでたい奴だな・・・お前たちも相当だぞ・・ 丸子:だから、ショーなのよ。全世界、衛星中継のドラマ・・。 元康:・・いやいや、俺の、我々のプライバシーは? 角美:そんなのないわよ、daddyあたしたち家族も、政府関係者もプライバシーなんかないの。この国だけじゃない。もう、人々は“ありきたりな”シナリオにはついてこないの。世界は動かないの。 元康:それは、あの男と同じ論理だな・・・こんの馬鹿娘が(怒)
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