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この人と助け合いながら、共に歩んで行けたなら
瞬間、わたしの中にそんな思いが芽生えた。
それは、初めての感情だった。
自分の気持ちに若干の戸惑いを感じながらも、新たに生まれた考えに、胸が高鳴り出す。
今ならわたし、黒澤くんの隣で、進んで行けそうな気がする……。
あと5分で昼休憩の鐘が鳴る。
今日は、ちゃんと話をしたいと思った。
今のわたしの気持ちを伝えたい。
忙しない昼休みに、黒澤くんに甘えるだけじゃなくて……。
周囲に違和感を持たれないよう、椅子に座ったまま、今度はわたしが、付箋を渡した。
“仕事が終ったら、水槽のある居酒屋で待ってる”
横目で視線を送ると、やや驚いた顔をしていた。
頬が熱く紅潮して来たけれど、決意して膝の上の掌を握った。
ふたりの関係が、わたしが、今日から変わる──
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