運命の夜

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黒澤くんの指がわたしのブラジャーの中へ、するりと滑り込んだ。 「あっ」 敏感な部分に触れられて、わたしは小刻みに身体を震わす。 黒澤くんの腕にしがみつきながら仰け反った瞬間、何かが頭の中でチカチカと光を放ったような感覚がした。 幸せ過ぎて……何だか 怖い 突然、そんな思いが湧き上がった。 どうしてだろう。 黒澤くんに触れられる度に、頭の中に浮かぶ。 好き ずっと一緒に居たい その言葉の後に続くのは、疑問だ。 心の中の悪魔が囁く。 ずっと一緒になんて、居られるの? わたしは驚いて目を見開いた。 わたしを見下ろす黒澤くんの顔は、影になってよく見えなかったけれど、その瞳はわたしの顔をじっと捉えていた。 スカートの中を弄っていた黒澤くんの指が、わたしの目元へと伸びて来た。 「……泣いてる」 優しく触れたと思ったら、涙を拭ったらしかった。 わたし、どうして泣いてるんだろう。
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