例えば危ない橋だったとして

いつかやって来るその時

そんな地獄のような１週間がやっと終わった。

今日は例の金曜日だ。黒澤くんがコンパに行く金曜日。
毎週わたしとデートしていた金曜日……。
自分の思考回路に頭痛がして来そうだ。情けない。

真っ直ぐ家に帰るのが嫌で、少し足を伸ばしてショッピングモールへ向かった。
まだ11月なのに、街はすっかりクリスマスムードだ。
クリスマスまで１ヶ月以上もあるというのに、皆今から何を準備するというのだろう。
なんて女子力の低いことを考えながら道路の先へ目を向けると、サンタのコスプレをした女の子がビラを配っている。
眺めていると、どうやらカップル向けのイベントのPRらしく、女ひとりの寂しいわたしは素通りされてしまった。

クリスマスか……黒澤くんと過ごしてみたかったな……。
ショッピングモールの入口の大きなツリーが、ライトアップされて輝きを放っている。
その光景を眺めながら思い出す。
水族館のイルミネーションを眺めたあの日を。
未練がましい自分にうんざりして、ツリーを横切り中へ入る。

買い物していてもクリスマス関連の商品やポップがやたらと目に入り、ちっとも楽しくなかった。