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プールでの激闘
美鈴と想作の制服は体育館の屋根に落下したプラズマ球体の電磁波で所々が焼け焦げてぼろぼろだったが、プールでは好都合だと想作が微笑む。
「ヤツは絶対、水中を覗く筈だ」
「想、泳ぎは?」
「任せろ。カッパだぜ」
「ダサっ。スズはイルカだよ」
二人はスピードを緩めずに柵を飛び越え、プールサイドを横切ってスタート台に立ちゴッドを待ち受ける。
「んむ、諦めたか?」
ゴッドは柵の扉を開けてゆっくりと歩み寄り、屋外の25メートルプールを挟んで対峙した。
「何を考えている?」
「最後にショーを見せてやろうと思ってね」
想作は美鈴に『ゴッドを水の中に誘い込めば電磁波の威力は分散され、ダメージは五分五分になる筈だ』と伝えた。
電磁波のエネルギーは水に吸収され、エネルギー熱に変化して加熱される。しかも変態の欲望でゴッドのパワーが薄れ、こっちに勝機が転がり込むと想作は考えた。
「鈴、やるぞ」
「うん。変態ゴッドをやっつけよ」
ゴッドが二人の会話を「ふん」と鼻で笑い、背中の稲妻を光らせ、黒丸の刻印が集合した両手から電磁波を放つが、想作と美鈴は寸前でプールに飛び込んだ。
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