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「逃げても無駄だぞ。オレはゴッドに選ばれたんだからな」
上半身裸で男子学生のズボンを穿いたジョーカーが背後から追って来る。美鈴はチラッと振り返り、自分のパンツが股間の汗で汚れているのを想像し、前に向き直って絶対に倒すと唇を噛み締めた。
「あんな奴が神の使いなんて、世界が狂ってる」
「毒を以て毒を制す。ソドムとゴモラの滅亡は人間が堕落した事の見せしめと古代人は考えたが、星のDNAだと叔父さんは言ってる。白と黒の刻印もそうだが、生命が誕生してから……」
想作は美鈴に顔を近付けて走りながら話を続けたが、美鈴はスピードを合わせて想作の叔父さんの理論を聞く気も余裕もなかった。
「悪い。またにして」
美鈴が想作の耳元で声を荒げ、スピードをアップしたので頬の護符がズレてシールドが消え、遅れた想作がジョーカーの電磁波に襲われそうになる。
「ヤバっ。確かに、それどころじゃない」
「想、私のペースに合わせなさい」
美鈴はスポーツ万能で短距離走、走り幅跳びの選手で想作は追いつけない。
「鈴、はやっ」
「マジで戦う。負けないぞ」
両腕を大きく振り、斜めにコースを取った美鈴が変態ジョーカーを惹きつけ、プールの入り口へ誘うと予想通り美鈴の躍動的な筋肉の美しさにおっさんは目を奪われた。
「いいねー。ノーパンだもんな」
時折、スカートが捲れて太腿が露わになり、お尻の割れ目がチラついて、ゴッドに選ばれたと自慢したおっさんは変態の顔に戻って「グフっ」と笑みが零れた。
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