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相当古く、ボロい人形があった。
「これもさすがに捨てた方がいいな」
石塚雄二は押入れの中に放置されていた日本人形を手にとって言った。
彼は日本人形の収集家であった。
しかし、古くなったものはどんどん捨てて新しいものを買っている。
ボロく長らく押入れから出されず放置されていた人形を手にとった。
玄関を出てゴミ置き場へ放り出した。
翌日。
ベットから起き上がる。
目を開ける。目の前に捨てたはずの人形があった。
「え?」
捨てたはずだ。何か間違えて別の人形を捨ててしまったのだろうか。
石塚は再び人形をゴミ置き場へと廃棄。
翌々日。流石におかしい。ベットから起きて目を開けるとそこには捨てたはずの人形が目の前の棚にある。
不気味だった。石塚は怖くなった。
しかし、どうすればいいのかわからない。
とりあいずその日は捨てずにそのままにしておくことにした。いづれ坊さんか神主さんに頼んで何とかしてもらわねばならない。
夜、目が覚めた。
しかし、身体が動かない。
筋肉痛になるような激しい運動はしていなかった。
目の前に何かが浮かんでる。浮んでる? 石塚の頭が暗闇の中で一気に覚醒した。
「っ!?」
悲鳴が上がるが、恐怖で声にはならなかった。
石塚の目の前には不吉な笑みをたたえ目から血の涙を流した日本人形が石塚を眺めていた。
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