姉と天使の一夜物語

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目を開けると、そこには天使がいた。 鏡に映ったその天使は、私自身。 何も変わらない。 ただ、翼と天使の輪があって、白い服を着てるだけ。 コスプレでもしているような気分だけど、これは全部、本物。 少しだけ、周りを見回してみる。 いつも通りの自分の部屋。 さっきまでここにいたはずのお姉ちゃんはいない。 もう帰っちゃったのかな。 それでもいい。 私は天使なんだから、追いかけられるはず。 「1晩だけ、何でも好きなモノにしてあげる」 死んだはずのお姉ちゃんが、急に現れてそう言った。 理由はわからない。 お姉ちゃんは、私が変身したらすぐに、天界に帰るって言ってた。 でも、私はお姉ちゃんと話したかった。 だから言ったの。 「天使になりたい」
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